DVDit! PRO 2.3


 


 前回のソフトレビューでは、DVD-Videoを作るためには、「チャプター」の設定と「AC3エンコード」が鍵であると書いた。この2つを満たすエンドユーザー向けオーサリングソフトは、DVDit! PRO版しか手軽に手に入れることができない現状である。しかし、不具合が見つかっているので発送がのびのびになっているのだ。とりあず、不具合があるが2.3を送り、2.4ができ次第無料で送ると書かれている。YANのところにも暫定版が届いたのでレビューする。


 今回は、暫定版らしくDVDit! PRO for VAIOという名称ではない。普通のDVDit! PRO 2.3となっている。HP上ではMPEG-AC3エンコードに関する不具合のみが書かれているがYANはそれ以外の不具合の方が重要であると考えている。決して安いとはいえないソフトが単純な不具合をいくつも抱えているのは許せるものではない。実際にDVD-Videoを焼くことができるかレビューしていく。

 ・・・・・と書いたのだが、結論から言うと使い物になりません。現状では絶対おすすめできません。YANはこのソフトを使うたびに思うのですが、これを開発している人は本当にテストしているのだろうか?なぜなら、普通に使っているだけで様々な致命的な不具合が次々にでてくるからだ。ここまで使えないソフトは久しぶりである。これが、売っているPRO版と同等のものならこんなものに10万も出すのは絶対やめた方がよい。

不具合@メニューが消える
 複数のメニューを作っていると何かの拍子に1つをのぞいてメニューが消えてしまう。解決方法はすでにSAVEしてあるファイルを再ロードするしかない

不具合A音声ファイルが消える
 映像と音声を分離して1つのムービーに割り当てていると、何かの拍子に音声ファイルのリンクが無くなっていることがある。解決方法はもう一度リンクするしかない(^_^;)

不具合Bいきなり「致命的なエラー」がでて強制終了する
 ものすごい苦労をして作っている途中でいきなりエラーがでて強制終了すること数回。ひどいものである。普通の操作をしているだけなのに。解決方法はこまめなSAVEしかありません(笑)

不具合CMPEG音声からのAC3エンコードにノイズがのる
 これはアナウンスされているとおりです。「仕様」(^_^;)通りノイズが乗ります(笑)このことは次の不具合と併せてこのソフトでのAC3の使用ができないことを意味します。

不具合D映像と音声を分離した場合チャプターが設定できない
 上記の解決策として、また、音声を劣化させないためにも普通は映像と音声ストリームを分離してオーサリングするのが普通でしょう。上記の解決策もHP上でWAVからと書いてあります。その場合、MPEGの多重化でPCMは使用できませんから、分離した状態を使うことになります。みなさん、ご存じの通り、ストリームを分離すると映像のタイムと多重化したときのタイムが一致しません。DVDit!でのチャプターの設定は、どうもタイムとフレーム数で設定されるようです。つまり、プレビュー上で映像と音声が分離した状態でチャプターを設定すると、オーサリング後の多重化されたMPEGファイルとはタイムが違うのでチャプターが全然違うところに設定されます。これでは、AC3エンコードをしてチャプターを設定できないことを意味します。

不具合Eムービー間のチャプター順を設定できない
 これは今回だけではないのですが、ムービーを複数登録する場合、ムービーの順序を指定ができないのである。「次」と「アクション終了後」の動作は指定できるがこれはあくまで順番を入れ替えることではない。だから、チャプター番号がでたらめになってしまう。なんとかならないものか?

不具合F推定DISC容量と実際の容量が一致しない
 映像を少しでもきれいにしたいので、DISC目一杯に容量をとるようにMPEGエンコードするのが人情(^_^;)であろう。DVDit!では、オーサリング後の容量を計算して書き込めない場合、それ以上進めないようになっている。しかし、この計算がくせものできちんと計算しているの?って感じでかなりいい加減だ。そのため、YANは、USER設定で6.0G位にしている。つまり一旦ファイルとしてVIDEO_TSを作ってからPrimoDVDで書き込んでいるのだ。もっと何とかしてもらいたいものだ。解決策は上記と経験と勘となる(笑)

不具合Gチャプター設定が難しい
 これは不具合というより「仕様」なのだが、チャプターが設定しづらいのだ。コマ送りはできないし、設定もなんだか大きな三角でいい加減だ。解決策は、別な再生ソフトでMPEGファイルを再生しながらコマ送り等を行い、そのタイムコードを見て打ち込むというやり方だ。しかし、その後もわかりにくい。

 以上のような不具合が現状で確認できている。特にDは致命的でこのために未だに満足なDVD-Videoを焼くことができないでいる。何度も各様だが、まともなオーサリングソフトをはやく違うメーカーから出して欲しいものだ。なぜ他のメーカーかというと、とにかくDVDit!は操作性が悪いからだ。ユーザーインターフェースが本当に使うことを考慮しているとは思えないからだ。こんなに使いにくい「操作」ではどうしようもない。さらに上記のような不具合はちょっとこのソフトを使ってオーサリングしてみればわかる不具合ばかりだ。なんだか、ベータ版の作り始めのようなソフトで、しかも、ユーザーインターフェースが最悪ときている。将来性もなさそうだとYANは判断しているからだ。はやく使えるオーサリングソフトを出して欲しい!と切に願っている。

Review